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姿勢と重心
身体重心から鉛直下向きに重力が働いています。 床から重力と同じ大きさの力が逆向きに働いて反力(抗力)と重力が釣り合っているため、静止し続けています。
力の釣り合いで静止する条件
重力と反力の釣り合いで静止姿勢を保つには条件があります。 重力と反力が同じ線上にあることです。 逆向きの力が同一線上にあることで打ち消し合って静止しているので、この位置関係が失われれば、身体は動きます。
「姿勢」とは何か
姿勢は身体各部の相対的な位置関係 (アライメント)と、身体が重力に対抗している状態をいいます。 つまり 「姿勢が良い」とは、 身体がある状態にあるとき、重力に対しアライメントを最適なバランスで維持していることを表します。
静止姿勢と身体重心
静止姿勢は床反力の作用点が重心と同じ線上にあることで可能になります。 体位が変化して身体重心の位置が動いても、重心から鉛直下向きに延ばした線 (重心線) が支持基底面内を通っていれば、 静止姿勢は維持できます。
支持基底面
足の底面など体重が乗る身体表面 (支持面) と、その間に存在する平面を加えたエリアで形成される平面立位の静止姿勢をとっているとき両足の中間の位置、その間を結ぶ面を支持基底面といいます。
アライメント
身体各部の相対的位置関係、体勢、臨床的にはアライメントという呼称をよく使います。
アライメント
正常範囲とされる指標があります。正常範囲の指標から逸脱した状態をマルアライメントと呼びます。
マルアライメント
筋バランスの異常、神経伝達機能の異常、 疼痛、関節の可動域及び安定性低下など、身体の機能に様々な悪影響を及ぼします。「マルアライメント→筋や血管の拘縮→体液循環不全→発痛物質の分泌・蓄積→疼痛→ 適切な身体活動の抑制→マルアライメント・・・」といった負のスパイラル が起こることになります。
矢状面と前額面のアライメント
疼痛の予防
疼痛 (痛み)は、身体の障害を知らせる重要な防御機構です。 痛みを感じることで、危険を避けることができます。
良い姿勢
骨格改善は姿勢を整えることが主要な項目になります。※骨格:骨が組み合わさって、体のささえをなすもの。骨組み。からだつき。
良い姿勢
床反力から中心軸が逸脱していない、筋緊張が最小限の姿勢
身体中心座標の確立
身体感覚を磨くために、背骨を中心にして様々なエクササイズを行います。様々なエクササイズを行い、体がどのように動いているか、傾きはないかなどの感覚が磨かれます。
背骨の中心から、股関節・肩関節、膝・肘、足・手のエクササイズをおこない、内側から外側に広がって身体のイメージが明確になる。
整姿勢とは自分の中心軸の理解ができていて、表現できている姿勢です。
運動の面
人の体は、1次元的ではなく3次元的 (3面) に動きます。
矢状面(しじょうめん)
身体を右と左に分ける面。
地面と垂直な面です。
左右二等分する矢状面を、正中矢状面と言います。
前後の運動をしたとき「矢状面上の動き」となります。
例:肩関節の屈曲、伸展、スクワット、腹筋
前額面(ぜんがくめん)
身体を前と後ろに分ける面。
左右の運動をしたときに「前額面上の動き」となります。
例:肩関節の外転、内転、サイドレイズ
水平面(すいへいめん)
身体を上下に分ける面。
矢状面と垂直に交わります。
地面と平行な運動をしたとき「水平面上の動き」となります。
例:肩関節の水平屈曲、水平伸展、ベンチプレス、ボクシングのパンチ、後ろを振り向く
垂直軸
水平面に対して垂直の軸。
垂直軸を中心に、回旋運動を行います。
水平面と同じ運動です。
例:顔を横に向ける。